寂しさと温かさと
仕事先で認知症になってしまったらしいおばあちゃんがいる。
半年くらい前から仕事の話がどうしても噛み合わない。
どうやら右、左もわからないときがある。
数字もわからないらしく5354と押すところをどうしても1から始めてしまう。
紙に貼ってみたがやはり無理。
わからないからやり方を録画すると言うのでスマホに録画するがその見方を忘れてしまう。
もしかしたら家に帰れなくなることもあるかなぁと最近は用事を見つけて駅まで送る。
約束の10分前に来る人だったが
30分前に来るようになり
1時間前になり、
とうとう3時間前に来るようになった。
ロビーあるから暑さ寒さはしのげるが暑い時は心配で一緒にお茶を飲みませんか!とまず一杯飲ませる。
優しい笑顔はちっとも変わらない。
話もそうズレてはいない。
それでも仕事の話は…もう分からないようだ。
でも毎回あの手この手で伝えてみる。
私が初めて聞いたかのように笑いも交えて丁寧に。
半年同じことを繰り返している、
今日その人が帰る時に言った。
👵「maiさんはコーヒー飲む?」
🐸はい、好きですよ
👵「じゃあ…あげる」
カバンから包み紙を取り出す。
🐸 え?良いんですか?
👵「maiさん、お父さん具合悪いのどうした?」
🐸良くなりました!
👵「良かった。maiさん疲れてるんじゃないかと思ってね。コーヒーあげようと思って」
そう言って差し出された包み紙はボロボロだった。多分何週間もカバンに入れておいたのかもしれない。
🐸わぁ!嬉しいです!😊
そう言うとはにかんだように笑って帰って行こうとする。
🐸あ、コンビニに買い物あるからご一緒して良いですか?
そう言って駅まで送った。
帰ったら☕ゆっくり飲もうと思う。
