苦しみの本棚
昔この家に越してきた時に、この古い家にビンテージの家具とか入れて壁紙とか自分で凝って楽しもうと思ってた。
このボロ家に越してきたのはそんな楽しみがあって。
実は壁は自分で塗った。
階段の壁紙も自分で貼ったし。
そしたら父が手作りの家具を作ってきた。
多分…父楽しかったんだろうね。
でもまさか作ってきたものをいらないとは言えないし…壊して捨てるわけにも行かなかった。
父の手作り家具はどんどん増えて。5つかな。。。
トイレにも階段にも棚を付け。
最後はさすがにもうやめてほしいと言いながら涙がこぼれた。
父はもう家具とも言えないような棚をただ積み上げただけのようなものを地震で落ちないように壁に括り付けそこに日用雑貨を整理して入れてしまった。
それを見た時に。
あぁ、もう…どうでもいいかなって。
それ以来この家に興味がなくなってしまった。
ただのボロ家はみすぼらしく情けなく悲しくて。
テーマカラーで合わせて少しずつ快適空間にしていくつもりだったこの家はただの物置になり。
うつ病で寝たきりだった時に子供の作品や写真を捨てられてしまった。
父は整理したかったんだろうけどね。
私の心まで捨ててしまったことに気付かなかったろうなぁ。
あれから10年か…。
昨日から少しずつ片付け始めて。
10年ぶりに初めて雑貨を出してみた。
そして部屋にあった本をここに収めてみた。
うん。ちょっと良いかな。
ふふ🤭オシャレではないけどね。
代わりに部屋はアトリエみたいに絵の道具を並べようと思う。
もう、父の家具を壊して捨てようとは思えない。
多分父はもう家には来られないけれど。
私の体力も気力もそして経済力もなくなった。
ささやかな私の夢はもう諦めよう。そう思えた。
ここを受け入れ。
できる限りの快適空間にしていこう。
そう思う。