伯母に会う
骨折したおばちゃんが退院して施設に戻った。
正直会いに行くのを躊躇った。
高齢なのでもしかしたら認知症になってしまったかもしれないと思った。
朝、今日は行くのを止めようか~とグダグダ。
施設に電話すると
『喜びます。体は元気だけど…元気がなくなっちゃったから』
と言う。
🐸すぐ行きます!とすぐにいつものお鮨屋に電話。
すんごい高くなってる😲不況、価格高騰…。
うんと奮発したのに出来上がったお鮨はショボかった。
おばちゃんは車イスで現れた。
私が髪を切ったのでわからなかったよう。
『maiちゃん!きれいになっちゃったからわからなかった!✨』
おばちゃん、元気でした✨
手術跡の残る腫れもまだかなり残る足を見せてくれた。
私は『痛かったね~💦』と言ってから
『でもおばちゃん、ハリが良いから20代の足みたいよ😉』と言うとおばちゃんは
あはははは🤣と笑った。
それでも今日はボヤキが多かった。
『私はこれでおしまいなんだね』とか
帰って欲しくなさそうに
『部屋まで来れば?』とか言う。
また歌いに行こうよ!と言うと無理だと言う。
🐸おばちゃん、そんな風に塞いだら良くないよ。アタシがツマンナイから元気になってちょうだい。
温かくなったら私が車イス押して歩いてお鮨屋まで行こうよ。
すぐ近くなんだから。
それから今度は父も誘って歌いに行こう!
おばちゃん何歌うか考えといて!
それからほら、ダンスの公演もまた行こうよ!
車イスなら行けるよ。
後ね、父が姉弟で旅行に行きたいって。
宿泊は無理だけど懐石とか食べちゃう?
気がつけば次から次に喋っていた。
おばちゃんに希望を持って欲しかった。
…頭がしっかりしていると言うのは時に残酷なのかもしれない。
一人になると寂しくて塞いでしまうのだと言う。
🐸すぐまた来るから! ね!
それまでに元気でいてちょうだいね!
そう言うと初めておばちゃんは汲み上げてくるのをこらえるような様子を見せた。
🐸おばちゃん、泣いてる?泣いちゃダメ~っ!
そう言って手を取ってさすると、
『やめてよ、ハハハハ』と笑い
『気を付けてね、弟に宜しくね』
笑顔でそう言った。
車イスからずっとずっと手を振っているのがバックミラーで見えた。
来てよかった。
そして私の心は張り裂けんばかりの思いも一緒に抱えた。
以前描いた伯母