幸せな空間

音楽が好きだった時期がある。

高校生くらいまで。


その時習っていた先生が大好きで。

人見知りな私の事。

今で言えば場面緘黙かと思うほど一言も喋らなかった。


こんにちは

さようなら


以外を言った記憶がほとんどない。

先生も多分シャイでボソ

ボソとあまり会話をしようと言う感じではなかった。

独り言を聞いているみたいな。


音楽は生きているんだよ。

そう言ってピアノが呼吸する方法を教えてもらった時はものすごく感動した。

涙が滲んだことを覚えている。


先生、私上手くなりたいです。

そんな風に伝えると学問に王道なしと言った先生。


毎週のレッスンはとても楽しくて。でもなにかを手取り足取り教えてもらった記憶はない。


先生は私の弾くピアノの感想をボソボソと話す。良いでも悪いでもない。

音楽の背景や作曲家の生きた時代や。

一緒にレコードを聴くなんて事もあった。

ここが良いんだよなぁ…と聴きながら先生が言う。


レッスンと言うよりは空間を共有している。


今思えばあの空間が一番芸術的だった気がする。

私は先生を驚かせたかった。

もっと上手くなりたい。そう思った。


次の先生は

指の形を細かく言われ、何で弾けない、何で覚えられない、あなたの演奏は面白くない、なにも考えていない…


多分基礎を教えてくださった。

叩き込んでくださった。

でも…。


型に押し込まれた感じがした。

それが基礎なんだけど。

昨日の教室で同じことを思った。


みんながピアニストになるわけではない。

みんなが画家になるわけでもない。


心から楽しめる何かがあるって幸せなことだと思う。嫌いになったら意味がない。


あの時の美しい空間を今も違う形で得られて幸せだなと思う。



バレリーナ(再掲載)


この話前も書いたなぁと、ふと思い🤭💦💦

こうして同じことを繰り返す老人になっていくのかなぁ😀


多分、繰り返すことで探したかった何かを探している気がする。


さぁて、GW。家族のために頑張ろう✨

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